report
楽しく華やかなペア碁の抽選会にふさわしく、ここで食事をとりながらしばし歓談。時間を置いていよいよ運命の抽選となった。
抽選は男性用、女性用に二つの箱が用意され、中に入っているボールを掴む方式。
ボールにはそれぞれアルファベットが記載されている。
棋戦の関係などで、やむなく欠席した棋士の分は大会関係者が代わって抽選に臨む。
まずは欠席した二十五世本因坊趙治勲の分から引かれることになった。
ボールには「B」の文字。続いて加藤正夫九段の分、こちらは「C」・・・。
途中で箱が交換され女性棋士の分が引かれてゆく。棋戦で中国に遠征している小林泉美女流本因坊が「I」、 青木喜久代八段が「D」・・・。会場は次第に静まりかえっていった。
再び男性棋士の番になって大竹九段が壇上に。「エイッ」とばかりに引いたボールには「D」の文字。
「D」の女流棋士は青木喜久代八段だ。
「やったー!優勝間違いなしだ」とはしゃぐ大竹九段。会場からはドッと笑い声が漏れた。
次々と進んで、いよいよ注目の祷陽子五段の登場。
会場は「また治勲引くなよー」、「引いたら許さないぞー」と騒がしい。
そんな喧騒をよそに祷五段はニコニコしながら箱に手を入れ、ボールを引いた。
しかし、そこには、なんと「B」の文字が!
ウワ―、と会場は大歓声。
「これは一体、どういうことになるんでしょうか」
と、司会の鷹西美佳さんが主催者側に説明を求めると、
「抽選の結果なので、これで決定です」。会場の棋士も「抽選で引いたんだからしょうがないよ」と拍手が起こった。
こうして、はからずも昨年の優勝ペアが再び誕生、「今年も趙先生と組みたい」と公言していた祷さん。
会場では「祷の祈りが通じたか」という声も。
続いて会場が沸いたのは、小林泉美女流本因坊と山下敬吾棋聖ペアの誕生だった。
「いやー、これは強いよ」
「ここに組まれちゃ困るねー」の声しきり。
次々とペアが誕生すると、「強そう」、「相性いいかもね」と会場では意見が飛び交う。