report
矢代・柳ペア―祷・二十五世本因坊治勲ペア戦は、黒番の祷・二十五世本因坊治勲ペアが地を取り、白は中央に大模様を築く進行。
祷五段と二十五世本因坊治勲ペア
矢代五段と柳九段ペア
黒が地合で逃げ切れそうだったが、途中から矢代・柳ペアが力を発揮。攻め合いになり、あわや黒の大石が取られるかという場面で、祷五段が見事な一手を放ってシノいだ。
その後も、細かい勝負が続いたが、最後の最後で矢代・柳ペアに誤順が出て三目のペナルティを払うことになり、結果は黒番、祷・二十五世本因坊治勲ペアの三目半勝ちだった。
ファンの求めに応じてサインする
本因坊治勲
小林・山下ペア―岡田・張ペアは、序盤から白番の小林・山下ペアがリード。
岡田女流最強位と張本因坊・王座ペアvs小林 泉美女流本因坊・女流名人山下 敬吾 棋聖ペア
これまでは苦しい碁をひっくり返しての勝利だったが、本局は終始、優勢のままゴールを決めた。結果は白番、小林・山下ペアの6目半勝ち。
閉会式ではファンの拍手を受けて決勝戦に臨む2ペアが壇上に。
小林泉美 今回は、一回戦は父と準決勝戦出はフィアンセと戦うことになってしまって、こんなに辛い思いをしたのは初めてです。」
山下 これで決勝戦で負けたのでは、そのお父さんとフィアンセに怒られちゃいそうですから…。僕も責任重大です。」
なお山下棋聖も、先週のペア戦の翌日が結婚式だったと、インタビュー役の潘初段が明かして、会場から大きな拍手を受けることになった。
一方、大会初の三連覇を目指す祷・二十五世本因坊治勲ペアは、「困ったね。僕たち二人ともおめでたいことないね」と苦笑。
会場を沸かす祷五段と二十五世本因坊治勲ペア
治勲 いや、今日はめずらしく祷さんが不調で一局目では相手の石が死にそうになっても祷さんが何回も助け起こしちゃって『あれ、祷さんが敵になっちゃったのかな』と思ったほど。ところが、二局目は祷さんがすばらしい読みを披露してくれた僕にはまったく思いつかなかった妙手を打ってくれました。それで勝てたんです。決勝戦の相手はなんだかおめでたいことに恵まれた二人のようですが、僕たちはそういうことがない分だけ闘志を燃やして頑張りましょう。」
本当に今日はずいぶんと足を引っ張ってしまって。でも決勝まで行けて本当に嬉しいです。」
熱戦の華やぎのうちに準決勝戦までを終了。
決勝戦は年が明けた1月25日(日)同じく恵比寿ザ・ガーデンホールで行われる。
皆さんどうぞお楽しみに。
(記・石井妙子)