PROFESSIONAL PAIR GO CHAMPIONSHIP 2013 〜プロ棋士ペア碁選手権2013〜
大会レポート Tournament Report

< 2回戦 >

プロ棋士ペア碁選手権2013
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万波奈穂二段・羽根直樹九段 対 小西和子八段・王銘エン九段  小西和子八段・王銘エン九段

〈【黒】万波奈穂二段・羽根直樹九段 対 小西和子八段・王銘エン九段【白】〉
中盤で石田九段が、「白がバラバラで勝負にならない」と言っていたが、予想に反して碁がもつれた。結局、小西・王ペアが難戦を制して白星をゲット。石田は、「これだけはダメだと思っていたのに、よく逆転するなあ」と感心するやら呆れるやらだった。
終わって、準決勝の相手が謝・小林(覚)ペアだと分かると、王が小西と顔を見合わせて苦笑いである。「まあ、がんばりますから」と言って碁盤を離れた。

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謝依旻女流本因坊・小林覚九段 対 下坂美織二段・張栩棋聖 謝依旻女流本因坊・小林覚九段

〈【黒】謝依旻女流本因坊・小林覚九段 対 下坂美織二段・張栩棋聖【白】〉
これも内容が悪かった方が逆転した。石田九段が途中で、「謝さんの方が負けとは言えなくなってきた」と微妙な表現した。「難しい言い方ですねえ」と小川六段も首を傾げたが、最後は謝・小林(覚)ペアが勝ち切ってしまった。
敗れて恐縮している下坂に、張が話しかけた。「謝さん強過ぎるよね。一人で打っても自信がないよ」と笑いを誘っていたが、盤を離れると張はやさしいのだ。

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石井茜二段・山城宏九段 対 鈴木歩六段・小林光一名誉三冠 鈴木歩六段・小林光一名誉三冠

〈【白】石井茜二段・山城宏九段 対 鈴木歩六段・小林光一名誉三冠【黒】〉
立派に1回戦を勝ち抜いた石井・山城ペアだったが、この碁はうまくいかなかった。鈴木・小林(光)ペアが最後まで緩まず勝ち切って準決勝進出である。


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吉田美香八段・山下敬吾名人 対 大澤奈留美四段・溝上知親八段 大澤奈留美四段・溝上知親八段

〈【黒】吉田美香八段・山下敬吾名人 対 大澤奈留美四段・溝上知親八段【白】〉
大澤・溝上ペアが中盤で失敗したと思われたが、吉田・山下ペアの呼吸も乱れて混戦に陥ってしまう。石田九段が、「普通は大澤・溝上ペアの負けの碁だが、逆転しちゃう碁が多くてねえ」と嘆くものだから、会場が大受けである。大沢・溝上ペアが準決勝へ。
敗れた吉田が、「ごめんね。申し訳ないわあ」と言うと、山下は、「昨年は1回戦で負けました。今年は1回でも勝てたので十分です」と慰めていた。「ありがとう。どんなときでもフォローしてくれるのね」と吉田もホッとした様子だった。

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張栩棋聖 小林光一名誉三冠

席を離れてからは、ファンに囲まれてサイン会のようになっていた。顔をよく知るトッププロと、身近に接することができるのも、この大会の魅力である。一緒に写真も撮って、全員の要望が終わるまで、棋士たちもうれしそうにお付き合いしていて、見ている方もうれしくなる。

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大盤解説会
プロ棋士ペア碁選手権2013
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< 準決勝戦 >

小西和子八段・王銘エン九段 謝依旻女流三冠・小林覚九段

〈【黒】小西和子八段・王銘エン九段 対 謝依旻女流三冠・小林覚九段【白】〉
本命同士の対決である。謝・小林(覚)ペアが、地を持って先行する展開となった。小西・王ペアが猛烈に攻めたが、なかなかうまくいかない。「攻めが不発で勝てない。謝さんが決勝に行きます」と石田が断言していた通り、謝・小林ペアが決勝進出である。
これで最低限の役目を果たした感のある小林はホッとしていたが、謝はまだまだ満足していない。「初めて出場したときに覚先生と組んで、準決勝で負けました。今回はもっと上を目指したい」と優勝宣言をしていた。「ぼくは付いて行くだけです」と小林は冗談なのか本音なのか、控え目なコメントを残した。


小西和子八段・王銘エン九段 対 謝依旻女流三冠・小林覚九段
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鈴木歩六段・小林光一名誉三冠 大澤奈留美四段・溝上知親八段

〈【黒】鈴木歩六段・小林光一名誉三冠 対 大澤奈留美四段・溝上知親八段【白】〉
大澤・溝上ペアが途中で苦しくしたが、簡単には終わらない。石田九段が、「ペア碁にセーフティリードはない」と言っていたが、大きなフリカワリになって形勢不明に。「細かい」と言って何度も計算したが、形勢が揺れ動いてなかなか結論が出なかった。最後は大澤・溝上ペアがわずかにリードして終局、決勝進出を果たした。
大澤は、「溝上さんとは子どものころから一緒に打っていたし、昨年もペアを組んで縁がありますね」と余裕の感想である。溝上は、「勝つと嬉しいですね。決勝戦って打ったことがないのですが、大澤さんのおかげでここまで来れました。覚さんには一人じゃ勝てないけど、大澤さんと一緒なら勝てるかもしれません」とあくまで控え目である。やっぱりペア碁は、女性を前に出して、男性は後から付いて行くくらいの方がいいのかもしれない。


鈴木歩六段・小林光一名誉三冠 対 大澤奈留美四段・溝上知親八段
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< 閉会式 >

決勝のペアが決まって、壇上で紹介された。大勢のファンが最後まで残って、声援を送っていた。

謝依旻女流三冠・小林覚九段ペア
大澤奈留美四段・溝上知親八段ペア
謝依旻女流三冠・小林覚九段ペアと大澤奈留美四段・溝上知親八段ペア
プロ棋士ペア碁選手権2013

その横の控室で、王と小西が碁盤に並べて検討を始めると、結城が前に座って相手をする。さらに、山下、高尾、河野、小林(光)と続々集まってきた。トッププロは本当に熱心だ。ファンがよろこぶ内容の深い碁を打つのには、それなりのわけがあるのだ。
勝ち上がったベストペア2組による決勝は、3月31日(日)に「囲碁将棋チャンネル」特別番組にて放映される。

敬称略、タイトル・段位は大会当日現在 

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