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プロ棋士ペア碁選手権2017

2017年3月5日(日) 決勝戦開幕~開会式

 1回戦から準決勝までが打たれた2月12日の興奮が冷めやらぬ「プロ棋士ペア碁選手権2017」。ファン待望の決勝戦が、3月5日に東京・市ヶ谷の日本棋院で行われました。勝利の女神は、藤沢里菜女流本因坊・羽根直樹九段ペアと鈴木歩七段・趙治勲名誉名人・二十五世本因坊ペアどちらに軍配をあげるのか。約600人のファンに見守られた熱い一日をレポートします。

【開会式前】

 12時半の開場時間前から、日本棋院の一階受付には大勢のファンが集まった。この日は6階に公開対局会場が、2階の大ホールに大盤解説会場が設営された。そして、開場時間には、どちらの会場もはや満席状態。楽しみな一日が始まった。


 5階に2組のペアのそれぞれの控室がある。先に意気揚揚と控室を出てきたのは鈴木・趙ペア。「あちらのペアも、もう来ているの?」と趙名誉名人は気になる様子で、「お勉強してるのかしら?」と大きな独りごと。そして、とうとう藤沢・羽根ペアの控室に入っていった。「お勉強してるの?」と熱心に何度も尋ねる趙名誉名人の様子に、藤沢女流本因坊は思わず大笑い。羽根九段は「いえいえ、普通に詰碁を」と笑顔でかわしていた。さすがにトップ棋士。「詰碁」は「お勉強」のうちに入らないようだ。

【開会式】


 13時に開会式が始まった。
 主催者を代表して公益財団法人日本ペア碁協会の滝裕子常務理事が登壇した。
滝常務理事「いよいよ23回になります『プロ棋士ペア碁選手権』です。今年も16ペアの選手の皆さんが競い合いまして、素晴らしい対局を披露なさり、ふたペアが残られて、決勝戦を迎えることになりました。これも皆様の応援と、協賛各社の皆さまの応援と、日本棋院、関西棋院、各団体のおかげだとしみじみと思っております。ありがとうございます。
 今年8月には渋谷で、日本、中国、韓国、中華台北のトップ棋士ペアをお呼びして『世界ペア碁最強位戦』という大会を開催することを計画しております。そして、今日の優勝ペアにも加わっていただくという企画を練っております。
 世界のスポーツ界では、男女の選手比率をフィフティーフィフティーにしましょうとIOCなどが呼びかけております。日本のスポーツ界もそれに呼応していろいろな男女ペアでの競技などを練られているようですが、私どもは、すでに27年前から、囲碁という伝統文化を元に、新しいペア碁というゲームを創案いたしました。今や世界74カ国・地域に広まっております。囲碁というのは本当に深く素晴らしいものでございます。その囲碁の深さと素晴らしさを元にしたペア碁というのは、普通のスポーツのダブルスとは違った大変面白みのある、見応えのある、研究し応えのあるゲームになったと自負しております。
 今日は一日、どうぞ楽しくお過ごしください。素晴らしいペア碁の展開を一緒にお楽しみいたしましょう」

 続いて本大会の審判長、大竹英雄名誉碁聖、そして解説を担当される棋士の方々が紹介された。この日も大盤解説は、石田芳夫二十四世本因坊。聞き手は、大会副審判長でもある小川誠子六段。おなじみの名コンビ。そして、本木克弥七段が、インターネット囲碁サロン「パンダネット」でのインターネットライブ解説を担当した。


 紹介を受け、大竹審判長が挨拶された。
大竹審判長「皆様のおかげで、こんなによい天気になりました。今日の決勝戦にこられた里菜ちゃんペアと歩ちゃんペア。ペア碁は、やはり、女性軍のパワーがどちらにあるかで結果が決まるんだろうと思います。あとの連れは、たいしたことない。(会場、笑)
 大会初日においでになられた方は、16ペアのオーラに触れられて、だいぶ強くなられましたか?(会場、笑)。棋士のオーラをぬすむ、受け取る――今日はそのためにも、石田君、小川さん、本木君が解説してくれる。今日一日の時間の素晴らしさを十分味わっていただけると思います。どうぞ今後とも囲碁を通じてご指導いただけますことをお願いいたします」

 そして、決勝戦を戦う2組のペアが登壇すると、会場からはひときわ大きな拍手が起こった。4名は、大一番へ向けてのそれぞれの抱負をファンに伝えた。 藤沢里奈女流本因坊は「今回初めて決勝まで進出することができました。羽根先生になるべく迷惑かけないようについていきたいなと思います。」羽根九段は「全力で落ち着いて打てれば何とかなるんじゃないかと思っておりますので、力を出し切りたいと思います。」鈴木七段は「決勝のお相手の女性が今乗りに乗っている藤沢里菜ちゃんということで、1対1で対局したら、たぶん相当私の分が悪いと思いますので、今日は趙先生の力をお借りして、なんとか勝ちたいと思います。」と3人が真面目な挨拶をした。最後の趙治勲名誉名人の挨拶はいつもの治勲節で、会場は大爆笑となった。

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