PROFESSIONAL PAIR GO CHAMPIONSHIP 2012 〜プロ棋士ペア碁選手権2012〜
大会レポート Tournament Report

< 2回戦 >

プロ棋士ペア碁選手権2012
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謝依旻女流本因坊 ・王銘エン九段 対 矢代久美子五段・小林光一九段 謝依旻女流本因坊 ・王銘エン九段

〈【黒】謝依旻女流三冠・王銘エン九段 対 矢代久美子五段・小林光一九段【白】〉
すごい戦いの連続だった。勝った謝・王(銘)ペアの感想が、戦いのすさまじさを語っている。
王(銘)九段「ずっと戦っていてダメになったと思ったのですが、気がついたら勝っていました。苦しかった」
謝女流三冠「そうなんです。気がついたら勝ってて」
ともかくこれで謝・王(銘)ペアが準決勝に進出。難局続きだが、結局最後は勝っている。さすが本命ペアである。敗れた矢代・小林ペアは残念だったが、相手は名だたる豪腕ペアである。乱闘になっては分が悪かった。終わってから、一人で廊下にいた小林九段が、「そうか、うーん」とボヤキながら、急に階段を降りていったのが印象的だった。真面目な人だから、いつでも本気なのである。

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井澤秋乃四段・王立誠九段 対 鈴木歩六段・山城宏九段 井澤秋乃四段・王立誠九段

〈【白】井澤秋乃四段・王立誠九段 対 鈴木歩六段・山城宏九段【黒】〉
ペア碁は途中で事件が起こって、激しい戦いになることが多いが、この碁は最後まで勝敗が分からない半目勝負になった。半コウ争いもあって、見ているだけではどちらが勝っているのかサッパリである。結局、井澤・王(立)ペアが半目残して準決勝に進出した。
敗れたペアの山城九段は、「ぼくが変な手を打ってしまって。それまでいい感じで打ってたんですけどね」と責任を感じていた。 鈴木六段は、「うまくリードしていただいて、途中まで名局でしたよね」と感謝を表していた。「一局目も私の暴走を止めていただいて、ありがたかったです」とやさしいことである。

羽根直樹九段碁聖 吉原由香里五段
王銘エン九段 二十五世本因坊治勲
山城宏九段 高尾紳路九段

席を離れてからは、ファンに囲まれてサイン会のようになっていた。顔をよく知るトッププロと、身近に接することができるのも、この大会の魅力である。一緒に写真も撮って、全員の要望が終わるまで、棋士たちもうれしそうにお付き合いしていて、見ている方もうれしくなる。

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吉原由香里五段・結城聡九段 対 小山栄美六段・二十五世本因坊治勲(趙治勲九段) 吉原由香里五段・結城聡九段

〈【黒】吉原由香里五段・結城聡九段 対 小山栄美六段・二十五世本因坊治勲(趙治勲九段)【白】〉
激しい戦いの末に、吉原・結城ペアが勝ったのだが、検討が始まると趙九段と結城九段がビシビシ石を並べて、二人の世界に入ってしまう。
吉原五段からは、「ここでダメにしちゃった」「ここはどうしたらいいんでしょう」と反省の言葉ばかり出てくる。勝っているのだが、それでも棋士は自分に厳しい。後で結城九段が、「由香里さんとは打ったことがなくて、碁についてはよく知りませんでした。遠くから見ていると、いつも苦しそうに打っているので、悲観派だと思っていました。そのくらいしかデータがなくて」と言っていたが、確かに吉原五段は悲観派なのかも。「でも、勝ったんだから、うまく打ってたんでしょう」と結城九段がフォローしていた。


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向井千瑛四段・高尾紳路九段 対 榊原史子六段・羽根直樹碁聖 向井千瑛四段・高尾紳路九段

〈【白】向井千瑛四段・高尾紳路九段 対 榊原史子六段・羽根直樹碁聖【黒】〉
中盤で形勢が傾いて、榊原・羽根ペアが優勢になった。石田九段に、「ほどんど勝てない」と言われていた向井・高尾ペアが、その後必死に頑張って形勢不明に持ち込んだ。やはり呼吸が合っているのか、向井・高尾ペアが逆転して、準決勝進出である。

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大盤解説会
プロ棋士ペア碁選手権2012
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< 準決勝戦 >

謝依旻女流三冠・王銘エン九段 井澤秋乃四段・王立誠九段

〈【白】謝依旻女流三冠・王銘エン九段ペア 対 井澤秋乃四段・王立誠九段【黒】〉
ペア碁は女性に男性がどう合わせるかどうかが勝負と言われて、女性が主役の感がある。だから、たいていは女性同士の対決が注目されるのだが、この組み合わせばかりはそうもいかない。王銘エン九段 対 王立誠九段のライバルが睨み合って、男同士の意地のぶつかり合いも見ものである。
序盤から、王(立)九段が工夫を重ねるが、流れは謝・王(銘)ペアに向いて行く。
聞き手の青葉四段が、謝・王(銘)ペアの戦いぶりについて、「ここまで二局とも大逆転で勝ち上がってきました」と振り返っていた。石田九段は、「順調に勝つ方が珍しい。ペア碁は波乱が多いものです」と話していたが、それにしてもこのペアは強い。悪い碁でも引っくり返すのは、実力以外のなにものでもない。
この碁は突然形勢が傾いて、一気に謝・王(銘)ペアの勝勢になった。中盤で井澤・王(立)ペアが投了、意外にあっけない幕切れだった。
後で勝因を聞かれた王(銘)九段は、「自分が見損じを打ったことに気がついたら、すぐ相手も見損じを打った。でも、それになかなか気がつかなくて」と舞台裏を明かしていた。すると謝女流三冠は、「私はどちらも全然気がつきませんでした」と驚いていたが、なんだかいいコンビである。互いに違う部分を補ってるのが、強さの秘密かもしれない。


謝依旻女流三冠・王銘エン九段 対 井澤秋乃四段・王立誠九段
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吉原由香里五段・結城聡九段 向井千瑛四段・高尾紳路九段

〈【黒】吉原由香里五段・結城聡九段 対 向井千瑛四段・高尾紳路九段【白】〉
「優勝候補同士」と石田九段が注目していた組み合わせである。序盤から一手でも間違えば、どちらかがツブレてしまいそうな激しい碁だった。途中で向井・高尾ペアが妥協したことから、吉原・結城ペアがやや優勢になった。最後は、敗戦濃厚になった向井・高尾ペアが敵陣で暴れ回って、死んでる石を生きて頑張ったが、惜しくも形勢を立て直すには至らなかった。吉原・結城ペアが、決勝戦進出である。


吉原由香里五段・結城聡九段 対 向井千瑛四段・高尾紳路九段
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プロ棋士ペア碁選手権2012
謝依旻女流三冠・王銘エン九段ペア

謝依旻女流三冠・王銘エン九段ペア
謝女流三冠「銘エン先生と三回連続で組んでもらって、すごく勉強になっています。決勝も足を引っ張らないように頑張りたいと思います」
王(銘)九段「自分一人では優勝が遠くなっていますが、謝さんのおかげで優勝が掛かる碁が打てるのがうれしい。やっぱりいい舞台で打てるのは、気持ちいいですね」

吉原由香里五段・結城聡九段ペア

吉原由香里五段・結城聡九段ペア
吉原五段「今は決勝で打てることだけでもうれしいです。相手はすでに優勝していますから、もうお腹いっぱいでしょう。せっかくのチャンスですから、しっかり打ちたいと思います」
結城九段「昨年も負けた相手です。また来たか、という感じですが、今度こそ優勝を狙います」

謝依旻女流三冠・王銘エン九段ペアと吉原由香里五段・結城聡九段ペア

準決勝まで終わって、最後の講評で石田九段が、「全て名局でした。ペア戦は多少の逆転はつきものですが、一局一局順調に強い者が勝ち上がりました」とまとめていた。それを聞いていた青葉四段が、「石田先生の締めの言葉が、さっきとちょっと違うように感じるのですが、たぶん私の気のせいだと思います」と笑いを誘って、閉会となった。
決勝戦は、4月1日に「囲碁将棋チャンネル」で放映される。

敬称略、タイトル・段位は大会当日現在 

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