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第26回国際アマチュア・ペア碁選手権大会

大会観戦レポート

 大会二日目は、朝早くから会場が熱気に包まれました。
 本戦2回戦と並行してスタートする荒木杯ハンデ戦には、AクラスからCクラスまで、143組のペアが出場。第2回世界学生ペア碁選手権大会には海外11組、国内5組のペアが参加。これだけの人数が集えば、熱くならないはずがありません。

 二日目の開会式も、滝裕子 日本ペア碁協会常務理事があいさつに立ちました。
「今年もペア碁を愛してくださる皆さまと集うことができ、幸せです」。あいさつの中では、中国や韓国でも、世界プロペア碁の大会が開催されたこと、中国で行われた女性の囲碁普及をテーマにしたシンポジウムに参加して「ペア碁」の実績を報告したこと、そのシンポジウムでは欧米からも「ペア碁」の普及がよいとの嬉しい発表があったことなどなど、一年の歩みを簡単に報告。また、昨年スタートした世界学生ペア碁選手権大会を今年は拡大し、今後も交流の場にしていただきたいと抱負を語った。「最後になりましたが、JR東日本様をはじめとするスポンサーの皆様、日本棋院様、関西棋院様のご協力のおかげでここまで迎えることができました。改めて感謝を申し上げます。皆さま、今日一日、ペア碁を楽しんでくださいませ」

 審判の紹介に続き、審判長、二十四世本因坊秀芳(石田芳夫九段)が壇上に立たれ、競技説明と出場選手たちに向けてエールを贈られました。
ルールは、大会初日と同様。ただし、荒木杯ハンデ戦のみ持ち時間は40分です。
 「ペア碁は、1対1よりはるかに難しい部分があります。盤上だけではなく、ペアの心を読まなければいけませんから。どうぞ皆さん、パートナーの心を読みながら、楽しんでください」

続いて、
 日本を代表して、本戦出場の中で最年少の竹野麻菜美・坂倉健太ペアが、海外を代表して、クロアチアのミルタ・メダック、ダミール・メダックペアが、選手宣誓を行いました。
 クロアチアのお二人は、ミルタさんが中学生、ダミールさんが大学教授という父子ペアです。「はじめは二人でチェスを楽しんでいました。でも囲碁を覚えたら、もっと興味深くて、すぐに娘にも教えました」とダミールさん。「今はネット対局を中心に家で勉強し、オーストリアやハンガリーでの大会にも出場したことがあります」。現在は、4級と6級の棋力。まだ少しだけ父の威厳が保たれているようです。

 大会恒例のベストドレッサー賞の審判員長、コシノジュンコさんからもごあいさついただきました。
「審査をはじめさせていただき3年目になります。このように世界各国の方が集まる会場を見渡して、ペア碁のオリンピックのようだと思います。2020年の東京オリンピックに向けた開会式のようにも思います。いつの時代にもお洒落を楽しむことは大事。今年の皆さんの民族衣装は、本当に素晴らしいですし、現代的にクリエイティブにもお洒落を楽しんでいただきたいです。私も楽しんで審査させていただきます」

 そして、石田芳夫審判長より大会開始コール。ペア碁の祭典が幕開けです。

 今年も荒木杯ハンデ戦には多くのペアが参加しました。Aクラスが32組、Bクラスが69組、C42組で合計143組286名参加しました。

 Cクラスには、お洒落をした子供たちが何組も。
 来山佳乃子ちゃん(6)・慧至くん(小2)兄妹ペアは、七五三のときのお着物姿で出場。お母様は「着たいというので、引っ張りだしました(笑)」。対局に負けても「楽しかった」と慧至くん。佳乃子ちゃんも「囲碁が大好き」と話してくれました。
 東京・谷中で子供教室を開いている大橋憲昭さんも、教え子とCクラスに出場。大橋さんのお教室からは、今年、来山兄妹ペアをはじめ10組のペアが出場したそうです。お話を伺うと、「家内とやっている教室ですが、子供たちが学校のお友だちを誘ってくれ、今110人ぐらい通っています」とのこと。さぞかし楽しいお教室なのだろう。大橋さんは、ご自分の対局が終わると、教え子たちのテーブルを一局一局回って見守り、一人うんうんと頷かれたり、子供から「勝ったよ!」のOKサインをもらって嬉しそうにされていました。
 清水咲良さん(小3)・小松惇之助くん(6)ペアは、整地をすると、自分たちの地が何もなくなってしまい「負けました」。石を片付けて、水を取りに走る惇之助くんに、咲良さんが「お水飲みたかったの? 対局中に言えばよかったのに」と声をかける微笑ましい光景もありました。

 Bクラスは最も人数が多く、対局中も活気にあふれていました。初めてペアを組んだという子供ペアから、「第一回から出場しています」というご高齢ペアまで。このように年齢の垣根なく一つの競技に夢中になれる世界大会は、ここにしかないかもしれないと改めて感じます。
 「息子と出場するのが夢だったので、本当によかった」と笑顔で話してくれたのは、囲碁インストラクターの大沢摩耶さん。長男の璃空君(小3)は、お姉さん二人と共に、摩耶さんのお父様、つまり、おじい様の囲碁教室で勉強しているそうで、「家では全く打ちません」とのこと。初めてのペア碁の大会を終えて、璃空君は「緊張はしなかった」。「お母さん強かった?」と尋ねると、大真面目な表情で「うん」。想像していたよりはるかに強かったようです。
 見回すと、可愛らしいプロ棋士二世のペアも。橋本香子さん(小3)・有村直隼くん(小4)ペアは、それぞれ、お父様が橋本雄二郎九段、有村比呂司八段。香子さんは「ペア碁はいいときもあるし、あまりよくないこともある。負けるとちょっと残念だけど、楽しいです」と、はきはき話してくれました。

 Aクラスは強豪ぞろい。室内の雰囲気もピンと緊張感が張り詰めていました。
 榛沢彩香さん、宮川一起さんは大学生ペア。榛沢さんは、全国高校囲碁選手権大会の個人戦で優勝したこともある実力者。宮川さんが申し込んでペアが実現したそうです。「でも、棋風がちょっと違うかも」と榛沢さん。宮川さんも「少し違和感が」。それでも順調に白星を重ねるあたりはさすが。「一局ごとに合わせていかれれば」というお二人共通の前向きさが、強さの秘訣でした。
 親子ペアや恋人ペアも多い中、高田和代さん(74)、片山睦さん(68)は姉弟ペア。幼少の頃、一緒にお父様に手ほどきされたそうです。「でも、囲碁に熱を入れたのは、子育てが済んでからです」と高田さん。片山さんは「夢中になったのは学生の頃からですね」。「でも、棋風はね、なかなかスッキリいきませんね」と高田さんが笑えば、「姉は考えを曲げませんので」と片山さんがやり返し……。姉弟の呼吸はピッタリ合っていました。

 第2回世界学生ペア碁選手権は、昨年の第1回から参加国が拡大され、海外からは10カ国・地域から11組、国内からは5組のペアが出場しました。
 阿久津千尋(中央大学)・石村竜青(日本大学)ペアは、韓国の張允禎(世翰大学)・朴鐘昱(明知大学)ペアと1回戦で対戦。敗れはしたものの「パートナーとはいい感じ。いい碁が打てます」と石村さん。阿久津さんは「韓国ペアは二人とも読みがしっかりしていて、あまりミスがありませんでした」と脱帽した後、「貴重な体験です!」。 張さんは「この大会では、世界の友だちと会えます。勝負だけでなく、交流を楽しめるところがよいです」、朴さんは「雰囲気がかなりよいです。落ち着いて集中しやすい」と、大会の感想を話してくれました。
 向山史織(立命館大学)・長谷川貴泰(立命館大学)ペアは、ハンガリーのジュリア・セレス(ブタペストビジネススクール)・ピーター・マルコ(エトヴェシュ・ローランド大学)ペアを2回戦で破って2連勝。長谷川さんは「じっくりとした長い戦いでした」と一局を振り返り、向山さんは「彼が合わせてくれ、サポートしてくれるので、すごく打ちやすいです」と元気いっぱい。その後は流暢な英語をあやつり、ジュリアさんと女子トーク。以下は向山さんをずっと笑わせ続けていたジュリアさんのお話。向山さんに訳していただきました。「パートナーがね、私が打つたびに、そこじゃないよって、こんな感じで(※実演)すぐに顔に出すから、疲れるのよ! でも、今の碁は私の好みで、地もあったし、彼も戦う気持ちを持ってくれたから、打ちやすかったわ。もう一局目を打ってるときは、どうなるかと思ったけど」。
 昨年、見事に二位に入賞した塚田花梨さん(立命館大学)は、今年は大関稔さん(専修大学)とペアを組んで2年連続の出場でした。ペア碁は今回が初経験だったという大関さんは「どういうものか全く想像がつかなかったのですが、打っていくうちにわかってきました。楽しいですね」。そして、塚田さんとの相性は「なかなか練習できず…。でもだんだんわかり合え、息が合う場面も合ってよかったです」。塚田さんも「はじめは息が合ってなかったのですが、打っていくうちに、いい調子になってきました!」。その言葉どおり、1回戦は中国の欧阳逸卓(上海済経大学)・隋沢翔(上海済経大学)ペアに敗れたもののその後は3連勝。5位入賞を果たしました。
 小長井優さん(東京大学教育学部附属中等教育学校)と高嶋渓吾(桐蔭学園高等学校)さんは、参加選手の中で唯一の高校生ペア。「相性もよく順調です」、「新鮮な気分」と笑顔で三連勝。4回戦で韓国の柳昇希(崇実大学)・崔仁焃(明知大学)ペアに敗れましたが、日本勢最高の4位入賞は見事でした。高嶋さんは「最後の碁は不本意でしたが、3局も勝てると思っていなかったので嬉しいです」。小長井さんも「最後の碁は悔しいのですが、3局はうまくいった方なので…また機会があれば出場したいです」。二人とも、まずまず満足、という表情でした。
四連勝で優勝を果たした柳さんと崔さんは、「難しい碁が多かったです。運よく勝てました」と二人そろって謙虚なコメントでした。
 学生ペア碁選手権大会は、若者らしく、対局後に長い時間をかけて熱心に一手目から検討する光景が多く見られました。そしてその後は、やはり若者らしく、メールアドレス交換。交流の輪が広がってくれることを期待したいです。


 さて、気になる本戦は……
2回戦は、日本ペア同士のカードが4局も組まれました。
四国代表の川渕久美子さんと大林英樹さんは、ペアを組んで7年ぐらい。2年前に続いて、今年2回目の出場です。関東・甲信越代表の笹子理紗・江村棋弘ペアに敗れ、「相手はスキのない碁。勝つチャンスがありませんでした」と脱帽されていました。
 近畿代表の堀江邦子さんと仲秀行さんは、以前同じ研究会に通っていたお仲間だそうです。「石井邦夫九段が師範をしてくださっていて、当時まだ幼稚園に通っていた井山裕太君が遊びにきたことがあって」と思い出話。「その時、4子を置かせて井山君に勝ったのが、生涯の自慢です」と川渕さん。ちなみに、1年後は互先で負かされたそうです。こちらも日本ペアと当たり、中国代表の竹野麻菜美・坂倉健太ペアに「序盤でつぶされました」と仲さん。竹野さんと坂倉さんは、ペアを組むのは3回目とのこと。坂倉さんは「竹野さんは、普段はうっかりやさんらしいのですが、囲碁はしっかりしています!」と信頼しきっている様子でした。
 東北代表の渡辺実香・高橋新一郎ペアは、パンダネットペア碁チャンピオンの森菜都未・伊瀬英介ペアを終盤で抜き去りました。森さんは「これまでほとんど中押しでしたから…」。伊瀬さんも「中盤は、二人ともファイターで棋風は合うのですが、ヨセが元々二人の課題」と敗戦にも納得顔。「この反省を生かして、ヨセにならないように打ちましょう」と森さんに声をかけていました。
 東海北陸代表の木本有香・闇雲翼ペアと関東・甲信越代表の平岡由里子・平岡聡ペアの一戦は、東海北陸ペアに軍配が上がりました。「強かったですね」と相手を讃えた平岡聡さん。木本さんは「気楽に打てます」、闇雲さんは「お互いに信頼して好き放題やってます」とのコメント。この伸び伸び感が、勝因かもしれません。

 3回戦では、近畿代表の糸井庚代子・福田覚ペアが、優勝候補の韓国代表の田有珍・宋弘錫ペアと当たりました。終局後、糸井さんと福田さんは「チャンスも何もなかった」「地も足りんし」「本当に強かった」「完敗です」「噂どおり強かった」と、相手を讃える言葉が尽きませんでした。
 日本ペア同士のカードとなった、九州沖縄代表の岸本真恵・渡辺祐介ペアと北海道代表の伊藤正子・高薄和哉ペアは、接戦ながら見損じがあって九州沖縄ペアの勝利。岸本さんは「緊張して、1回戦の中華台北戦では負けてしまいましたが、2回勝てました。次からもがんばりたいです」。渡辺さんとのペアは5年目、大会出場も3回目。ペアとのコンビネーションも「だんだんわかってきました」とのことでした。
 2回戦に続いて日本ペアとのカードを引いたのは東北の渡辺・高橋ペア。今回は関東・甲信越の笹子・江村ペアに「力負けしました」と無念の敗戦でした。
 もう一局の日本ペア対戦は、中国の竹野・坂倉ペア対東海北陸の木本・闇雲ペア。こちらは中国ペアの勝利。「打ちたいなと思ったところに木本さんが打ってくれて」と相性のよさをアピールする坂倉さん。闇雲さんは「息が合わなかったですね。ちょっとバタバタしてしまいました」と肩を落としていました。

 4回戦。いよいよ優勝候補が絞られてきました。3連勝ペア4組の直接対決です。
 ここまで、中国ペア、ヨーロッパペア碁チャンピオン、中華台北ペアと、強豪を倒してきた関東・甲信越代表の小田彩子・永代和盛ペアが、韓国ペアと激突。難しい戦いの碁でしたが、韓国ペアの力がやや上回る結果となりました。小田・永代ペア、無念の敗退でした。
 永代さんは「韓国に負けて残念ですが、中国や中華台北といった強いペアには勝て、がんばったと思います」と笑顔でコメント。小田さんも「強いペアと戦ってばかりで疲れました(笑)。危ない碁もあったのですが、運よく勝ててよかったです。韓国戦に負けたのは、当たり前といえば当たり前なのですが、リベンジできずに残念でした」と、やはり爽やかな笑顔でした。
 小田・永代ペアのご夫婦ペアは、昨年はご出産で出場しませんでしたが、一昨年に続き、今年もスイス方式により、見事に二位を獲得。同時に全日本アマチュア・ペア碁選手権(JAPG杯)の優勝を勝ち取りました。
 全勝対決のもう一局は、笹子・江村ペアが竹野・坂倉ペアを下しました。
 優勝決定戦は、韓国ペアと笹子・江村ペアの対決です。


 石田芳夫九段と小川誠子六段による大盤解説、隣室のマイケル・レドモンド九段による英語解説も、大いに盛り上がりました。優勝決定戦は、好勝負ながら、メンタル面で韓国ペアが優ったようです。
 「打つ前から、ものすごく技量が違うと思っていて…」という笹子さんは、「がんばってもがんばってどんどん悪くなると思い、最後に無茶な手を打って自滅してしまいました。冷静になっていれば…」と反省しきり。江村さんは「そうなんです。笹子さんが悲観していて。僕のフォローも足りず。もっとパートナーを落ち着かせて打たせたかったです」とかばっていました。それでも「全体的にはよく打てたと思います」と満足の表情。笹子・江村ペアは4勝1敗の好成績ながら、スイス方式で4位となりました。

 今年も韓国ペアが優勝しました。ここで、強かったお二人をご紹介しましょう。
 韓国では、アマチュア界でもポイント制で順位がついているそうです。この大会には毎年、男女それぞれアマチュアナンバー1が選出されるとのこと。「順位の入れ替わりは激しく、昨年と一昨年に同じペアが出場したのは奇跡のような出来事」だったそうです。
 女性の田有珍さんは、「今は少し休んでいますが、1月からまたプロを目指して道場に通う予定です」。男性の宋弘錫もプロを目指していますが、「僕は、前は道場に通っていましたが、今は個人で勉強しています」。お二人とも、碁盤から離れると、とても穏やかな表情でした。
 小田・永代ペアとの対局の感想を尋ねると……
 田さん「自分が足を引っ張らないようにと一生懸命打っていただけですが……相手のペアは呼吸もよく、強く、優勝できないかもしれない、と思ったときもありました。難しい碁で、運がよかったと思います」
 宋さん「夫婦ペアは息が合っていて、以前、平岡夫妻と対戦したことがあるのですが、やはり夫婦は強いなあと思いました。今回も、お二人が夫婦だと知りなるほどと思いました。内容としては、相手にぬるい手があり少し形勢がよくなったのですが、厳しくこられて苦しくなりました。もっと厳しく打たれていたら危なかったところを緩んでくれたのでラッキーでした。機会があれば、またぜひ打ちたいです」
 そして、改めて優勝の喜び、この大会の感想を言葉にしていただきました。
 田さん「優勝は嬉しくて、忘れられない思い出になります。この大会は、勝敗よりイベントとしての充実感があり、世界中の友人と出会いや交流を楽しめました。結果もよかったので本当に嬉しいです」
 宋さん「日本ペアとは打つ前から緊張しました。一局一局簡単な碁はなく、一局一局一生懸命うった時間が大切です。自分としては、個人で打つよりも二人で打つ方が大事な経験になりました。一局一局力を合わせたことが、忘れられない時間になりました」

 日本勢は、優勝こそ逃したものの、笹子理紗、江村棋弘ペアが4位、3位に竹野麻菜美、坂倉健太ペア、2位に小田彩子、永代和盛ペアが入る大健闘ぶりでした。
 優勝ペアの言葉にもあるとおり、一人一人が、宝物になった時間を胸にして、大会の全工程が終了しました。

 そして、大会を締めくくるセレモニー・表彰式です。
 まず、日本ペア碁協会理事長の松田昌士があいさつに立ちました。
「世界中にペア碁の魅力を広げていただき、ありがとうございます。でも、まだまだ国があります。もっと広げていきましょう。今回は韓国ペアが優勝。おめでとうございます。ペア碁がスタートした当初は、こんなに広まるとは想像もしていませんでした。私ももうすぐ80歳ですが、碁を打っているからこんなに元気です。誰が勝とうと負けようと、勝敗は関係ありませんね。皆さん、今日はおめでとう。ありがとう」
 JR東日本、日立製作所、日本航空の特別協賛社はじめ、協賛各社の紹介、祝電の披露に続き、いよいよ表彰式に移りました。優勝ペアは皆さん、満面の笑顔でした。

 荒木杯ハンデ戦では、恒例の「ニギリ」抽選により、Cクラス優勝ペアが賞金5万円もゲットしました!
 優勝ペアの皆さん、おめでとうございます。

国際アマチュア・ペア碁
選手権大会
田 有珍(ジョン ユジン)・宋 弘錫(ソン ホンスク)ペア
全日本アマチュア・ペア碁
選手権大会
小田 彩子(おだ あやこ)・永代 和盛(ながよ かずもり)ペア
世界学生ペア碁選手権大会柳 昇希(リュ スンヒ)・崔 仁焃(チェ インヒョク)
荒木杯ハンデ戦A~C Aクラス:徐 文燕(ジョ ブンエン)・依田 大空(よだ おおぞら)ペア
Bクラス:安斎 京(あんざい きょう)・関 仁(せき ひとし)ペア
Cクラス:久保 光(くぼ ひかり)・久保 淑幸(くぼ ひでゆき)ペア

  また、特別表彰として、最年長ペア、最年少ペアにも記念品が贈られました。

最年長ペアBクラス 野村富美子(74)・竹村章〈80〉ペア
最年少ペアCクラス 堀江みう(6)・北折大心(7)ペア

 アメリカ囲碁協会副会長のトーマス・シャン氏が、乾杯のご発声をして、会場は、集まった世界のペア碁の仲間たちの拍手に包まれました。
 対局の緊張も解け、笑顔の選手たちが交流を深めるなか、昨年発表されたオリジナル新曲『Pair Go, My Dream』の英語版が披露され、ベストドレッサー賞が発表されました。審査委員長のコシノジュンコさんの「今年もチャーミングで美しく、素晴らしかったです」というごあいさつの後、受賞ペアの皆さんに記念品が手渡されました。

 書道・和太鼓によるコラボレーションパフォーマンスが始まると、外国選手たちは一斉にステージを撮影。書家の上籠鈍牛さんが、背丈より大きな紙面に一字一字、「世界碁輪」と揮毫すると、今度は日本人選手も加わって大歓声と拍手に代わりました。この4文字には、「ペア碁」で世界をつなげたい思いと、オリンピックでの正式競技に加えたい思いが込められているそうです。

 「ペア碁」の交流がこれからもずっと続いていくことを信じ再会を約束して、夢のような2日間、けれどもずっしりと心に残る2日間が、幕を閉じました。