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● リコー杯1998 決勝戦結果 ● |
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最強のペアは、攻めの矢代・加藤ペアか、冷静沈着な青木・本田ペアか?リコー杯プロ棋士ペア囲碁選手権1998の決勝戦が1月25日、東京港区の「ニューピアホール」で500名の観客を集めて行われた。初戦からすべて先番という運の強い矢代・加藤ペアが、序盤から主導権を握って攻め続けていたが、決めどころを幾度も逃し、辛抱に辛抱を重ねて二つの大石をシノいだ白が逆転勝ちをおさめた。青木・本田ペアは初優勝、賞金の500万円(うち200万円は全国の学校へ囲碁用品を寄贈)を獲得した。 |
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![]() 司会/白江治彦七段・岡田結美子四段 |
![]() 主催者を代表しての挨拶 株式会社リコー代表取締役会長浜田広大会実行委員長 |
![]() 両ペアに花束贈呈 滝裕子日本ペア囲碁協会理事 |
![]() 対局前の挨拶では既に火花が・・・ |
予選の第1回戦と同一カードとなった決勝戦、そのせいか決意表明から火花が散っていた。 青木「1回戦は半目負けでしたが、だんだん息が合ってきました。もう1回戦の私たちではありません。」 本田「1回戦は私のミスで半目負けでした。決勝は気楽にと思っていたら『1回戦のカタキ』と青木さんに言われたので、もうひとふんばり」 矢代「ここまで幸運でした。加藤先生、よろしくお願いします。」 加藤「始まる前は無印でしたが、初戦の半目勝ちで波に乗りました。ここまで来たからにはがんばりましょう」 |
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![]() 解説/武宮正樹九段 聞き手/小川誠子六段 |
![]() 両ペアの一手、一手に注目が集まる |
初戦敗退後、苦労して勝ち上がってきた青木・本田ペアは燃えていたが、オーバーヒート気味。序盤で打ちすぎてしまった。 事の発端は白24(本田)、黒コスミから、白は長く険しいイバラの道を歩くことになる。 「矢代さんの黒33はすごいね。黒41は51もあるが、加藤さんらしい厚い手、黒のペースで進んでいる。」 武宮正樹九段の解説によると、黒の激しい手は矢代、厚い手は加藤と思って鑑賞すればいいらしい。 |
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舞台上では、熱戦と大盤解説が・・・ |
熱戦を繰り広げる両ペア |
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武宮「黒51は66のノビが自然、黒53(矢代)はやりすぎ、黒51がダメズマリになって、白60で黒二子取られてしまう。黒61は鋭い矢代さん、やりますね」 白石が種石を取って一息ついたと思った瞬間、白66(青木)が暴走だった。 黒67のワリコミに対して、打つ手がない。白68と冷静に方向転換したものの、黒69で黒が優勢になった。 |
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封じ手を記入する加藤正夫十段 |
途中で封じ手クイズが企画されていたが、戦いにつぐ戦いで、なかなか一段落しない。白78の時点でストップがかかり、黒79が封じられた。 |
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会場には山田規三生王座の姿も・・・ |
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ここまでは黒ペースだったが、黒が本気で大石を取りにいってしまったため、270手で白番6目半勝ちし、青木・本田ペアが初優勝した。 青木「どれか死ぬと思ってました。」 矢代「私の責任です。すいません。加藤先生ありがとうございました。」 加藤「あなたのパワーは、ぼくより上(笑)。また、一緒に組みましょう」 ここまでの4期、すべて決勝に残り、3回(1期優勝:小西・橋本ペア、3期優勝:知念・結城ペア)優勝しているのが関西棋院の男性棋士。何か秘訣でもあるのだろうか。 |
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局後、大盤でふりかえる |
局後の感想 |
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■優勝ペア表彰 |
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日本ペア囲碁協会より表彰状授与 吉國一郎(財)日本ペア囲碁協会会長 |
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リコー杯授与 浜田広(株)リコー代表取締役会長 |
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賞金500万円目録授与 浜田広(株)リコー代表取締役会長 |
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日本棋院より賞状授与 浅野毅(財)日本棋院副理事長 |
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読売新聞より賞状授与 鯉渕昇読売新聞社事業局次長 |
■準優勝ペア表彰 |
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日本ペア囲碁協会から賞状授与 吉國一郎(財)日本ペア囲碁協会会長 |
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リコーより記念品授与 浜田広(株)リコー代表取締役会長 |
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読売新聞より表彰状授与 鯉渕昇読売新聞社事業局次長 |