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「世界ペア碁最強位決定戦」記者会見

優勝トロフィーをデザイン・製作監修をした日比野克彦 東京藝術大学教授と記念撮影

17時30分。「世界ペア碁最強位戦 2017」・「最強位決定戦」の記者会見がはじまった。

まず、昨年の「ペア碁ワールドカップ2016 東京」で優勝した中国の於之瑩六段・柯潔九段ペアに、優勝トロフィーが贈呈された。現代美術家で東京藝術大学教授の日比野克彦氏の製作によるもので、昨年「ただいま製作中のため、来年お渡しします」と約束されていたものだ。 日比野氏は、「まず、白と黒の石の美しさをテーマにしたいと考え、特徴であるペア2人、4つの石をモチーフにしました。一手一手が次の展開を大きく変えていく、微妙なバランスと積み重なり、そして、さらなる高みを目指すイメージです」と話された。台座は碁盤になっており、「ペア碁ワールドカップ2016 東京」の決勝戦の棋譜が!

滝裕子常務理事は「本当にお待たせしました。遅くなりましたが、心のこもったものをお贈りしたいと思います」とあいさつ。日比野氏は「重いので、持つのは大変」と話されていたが「やはり、持ちましょう!」と抱え上げ、中国の於之瑩六段・柯潔九段ペアに手渡した。

続いて、「世界ペア碁最強位戦 2017」の経緯について滝裕子常務理事よりあいさつ。 「昨年のワールドカップには、約4000人の来場者があり、大変な盛り上がりとなりました。この勢いを2020年につなげていきたいと思い、ミニワールドカップのようなものを企画し、「選抜」という形で今回の『世界ペア碁最強位戦 2017』を開催する運びとなりました。皆様のご協力を得て、文化の催しとして、一年一年がんばっていきたいと思っております」

大会審判長の大竹英雄名誉碁聖、副審判長の小川誠子六段、吉田美香八段、審判の孔令文七段、そして、名誉審判長の聶衛平九段が紹介された。

続いて、選手の紹介。中国の於之瑩六段・柯潔九段ペア、日本の謝依旻六段・井山裕太九段ペアが登壇し、それぞれ、明日に向けて抱負を語った。

謝六段「8月の優勝を嬉しく思っています。井山さんのおかげでここまでくることができました。明日は、緊張もありますが、楽しみです。世界トップの於之瑩六段・柯潔九段ペアと対局できるのはとても光栄です。私が変な手を打たなければチャンスはあると思うので、しっかりついていきたいと思います」
井山九段「世界一のペアとの対局を光栄に思い、また、楽しみにしてきました。明日は厳しい戦いになると思いますが、8月に韓国の強い崔精七段・朴廷桓九段ペアに勝ったいいイメージを思い出し、精一杯戦いたいと思います。今日の「研究親善対局」ではコテンパンにやられましたが、明日は緩めてくれると期待しています」

井山九段のあいさつが通訳されると、於之瑩六段・柯潔九段ペアは顔を見合わせにこっと笑っていた。

於六段「本日はお招きいただき、このようなチャンスをいただき、感謝しています。明日の相手は強いペアなので、全力を出していきたいです。ありがとうございます」

出場ペアの紹介

柯九段「感謝したい人はたくさんいます。このような機会をくださり、また、今回は滝常務理事が、私の両親も招待してくれました。ご配慮に感謝しています。私が忙しくて、すぐに帰国しなければならないので、ぜひ次回は長く滞在して両親と日本文化を味わいたいと思います。今回の企画は『防衛戦』のような形となり、タイトルホルダーとして待っていることは新鮮でした。今日の対局はAIの力を借りましたが、明日はそうではありません。日本の第一人者ペアとの対局――さきほど井山さんからは、『手加減を…』というお話がありましたが、それはそれとして(会場、笑)――なので、とても楽しみです。結果の勝つ負けるは重要ではなく、日本ペアのお二人を敬服していますので、楽しみにしています」

報道陣からの「一年前と比べて、ペアとして、また個人として変わったことはありますか?」の質問には――

於六段「実は、私は昨年より調子がよくありません。でも全力でがんばります」
柯九段「私も不調ですが、昨年よりイケメンになりました(会場、笑)」

井山九段「ペアとしては、息が合ってきて、完成度は高まっていると思います。個人的には昨年は七冠でしたが、今は六冠なので、昨年より悪いです(会場、笑)」
謝六段「ペアとしては、8月によい結果を残せ嬉しく思っています。個人的には、昨年は五冠でしたが今年は一つなので悪いです(会場、笑)。でもペアは違うと思うので、全力を尽くします。それから、さきほど、柯潔さんに『きれいになりましたね』と言われました。事実ではないと思いますが、信じたいと思います(会場、大笑い)」

報道陣からは、「滝ご夫妻に。ペア碁の人気はどんどん高まっていますが、今後の計画は?」という質問もあった。

滝久雄顧問・評議員「今回の『最強位決定戦』は中国棋院のご理解を得て実現し、一つ階段を上ったと思っています。2020年のオリンピックに向けて、そこまでは私もがんばろうと思っています。オリンピックというのは、そこから50年の日本の形を決めるものです。ですから、東京オリンピックと同じタイミングで開催される『ペア碁ワールドカップ2020』を、囲碁の楽しみ方を決めるものにしたい。文化、スポーツ、平和につながる、皆で楽しめるものとして、面白いことを、楽しめることを、オリンピックイヤーに示したいと思っています。)」

滝裕子常務理事「今回は、過密スケジュールの中、選手の皆さんご参加くださり、本当にありがとうございました。主人も2020年までがんばるそうですので、私もふりしぼってがんばりたいと思います」

最後に「勝つために大事なこと、心がけていることは?」という質問に……
於六段「緊張していて、考えがまとまらないのですが……とくに心得はなく……ただ、大胆に考え、彼の邪魔をしないようにがんばりたいです」
柯九段「緊張しなくていいんだよ」(と於六段に話かけた後)「前回、初めてペア碁を経験したのですが、パートナーの於さんはとても強いので、勝っても負けても半分半分だと思っています」

井山九段「信頼して息を合わせることです。苦しい流れになっても、ペア碁は流れが変わりやすいとも思いますので、流れを二人でつかめればと思います」
謝六段「心配なのは自分です。足を引っ張らないようにと思います。今回のメンバーで打てることがとても大事で、楽しみたいと思います」

この後、記念撮影が行われ、記者会見は終了した。

「世界ペア碁最強位決定戦」前夜祭

前夜祭には、多くの来賓の方にご出席いただいた

続いて前夜祭が催された。主催者、来賓の方々のあいさつと乾杯のご発声を紹介していこう。

実行委員長(海外担当)・世界ペア碁協会会長
松浦晃一郎「ペア碁は世界中に広まり、とくに東アジアでは活発で人気も盛り上がり非常に嬉しく思っています。1990年にアマペア碁の世界大会が始まりました。以来、中国、韓国、中華台北の棋院の全面的協力に感謝しております。このたびは、「ペア碁世界最強位」という一番権威のある称号が確立されたことも嬉しく、2020年まで盛り上げていきたいと思っています。明日の決定戦はいい試合を見せていただき、また大盤解説も楽しみにしたいと思います。

名誉審判長
聶衛平九段「今回の大会に参加できることを嬉しく思っています。中国でもペア碁は人気が高まり、たくさんの大会が地方でも開かれています。滝ご夫妻はじめ、ペア碁協会、関係者の皆さまの長年のご尽力に感謝します。ちょっと自慢なのですが、私は今、タイトル戦では優勝できないのですが、ペア碁では優勝しています(会場、笑)。大竹英雄先生、石田芳夫先生、小林光一先生らと、ぜひ世界プロペア碁で対戦したいと思っています。2020年の東京オリンピックの年に、ぜひオリンピックに入れるというぐらいの気持ちで両国で盛り上げていきましょう。私は中国で盛り上げます。今年は日中国交正常化から45年になります。いい信号が出ています。永遠に日中の友好を築いていきたいと考えています。謝謝」

日本棋院理事長
團宏明氏「『世界ペア碁最強位決定戦』の開催にお祝い申しあげます。トップ棋士の皆さんがこれだけお忙しい中参加され、この大会が実現したことは奇跡的なことだと思います。振り返って、国交の中で、囲碁の交流ほど成功したものはありません。2020年にむけて、華やかに楽しく盛り合っていかれることを願っています」

実行委員長・ペア碁協会理事
上條清文
お礼を兼ねまして、ひとことごあいさついたします。今回の『世界ペア碁最強位戦2017』を渋谷の私どものホテルで開催していただけたことを光栄に思っています。日本には世界からの観光客が増えておりますが、世界的に有名な場所は渋谷のスクランブル交差点で、東京に来た観光客は皆訪れるといいます。わずか40秒の間に多いときは3000人が行き交う。そして何の争いも起こらない。これは外国人にとって驚愕なのだそうです。渋谷は街の大改革が進められています。新たな文化情報の発信拠点から、この華やかなペア碁がさらに発展することを期待しています。明日は、私どもの能楽堂が決定戦の舞台となります。華やかさに花を添える場所で、両ペアの火の出るような熱戦が行われるものと思います。両ペアのご健闘を祈念して、また皆様のご健康、ご多幸を祈念して杯をあげたいと思います。

本大会を支えてくださった――ご来賓の紹介、特別協賛各社の紹介が続いた。

小山薫堂氏の作詞による「ペア碁の歌」は、新たに中国語に翻訳されて紹介された。
素晴らしい訳のようで、これを聞いた孔令文七段は謝依旻六段に「これ、翻訳というより、新たに作詞したみたいだよね」と話しかけていた。謝六段も「ラブストーリーみたい!」と興奮していた。

前夜祭では、両ペアは終始くつろいだ様子だった。「私はもう井山さんを全て信頼していますので、何も心配していません」と謝六段。「何より、このメンバーで打てることが楽しみ。精一杯がんばるが、同時に楽しみたい」と井山九段。ペア碁の魅力が集約されたような、二人のコメントだった。

主催

日本ペア碁協会 / 世界ペア碁協会 / 世界ペア碁最強位戦 2017 大会実行委員会