日本ペア碁協会
第1回WMSG「ペア碁競技」

『ペア碁競技』観戦レポート【4】

16日、決勝トーナメントがスタートしました。いよいよプロ棋士の登場です。

前日の夜に現地入りした日本代表の小林覚九段・矢代久美子五段ペアは、女子団体戦の銀メダリスト、青木喜久代八段、小山栄美五段、鈴木歩四段らと共に夕食をとりました。小西和子八段はホテルに残って明日に備え、前日の夕刻に現地入りした今村俊也九段は、平岡聡・由里子アマペアらと共に夕食をとり、「皆さんそろそろ中華に飽きてくる頃ではないですか」と、手土産の鯖寿司をふるまっていました。ちなみに、当地のレストランは「持ち込み」に嫌な顔をするどころか、逆に、「北京風ワサビ」をわざわざ運んできてくれました。



各国のプロ棋士は、皆気合十分。当然ながら、本大会のペア碁種目で「金メダル」を獲りにきています。

韓国選手は…女性二人が20歳、男性が21歳と22歳。謝依旻四段によれば「韓国の若手で今一番打てている人たちばかり。それに、この大会に備えてずいぶん前からペア碁の練習をしています」。

その謝依旻四段がペアを組むのは、二十年近く中華台北のナンバーワンに君臨する周俊勲九段。謝四段が一週間ほど前に北京入りして以来、中華台北のプロペア2組が連日猛練習していたことは、このレポートでもお伝えしたとおりです。

そして、中国選手は…ペア碁のみならず、囲碁競技全種目の選手が、大会前に2週間の合宿をしたそうです。「もちろん家には帰しませんでした」と華学明団長が自信たっぷりに笑顔で話されていました。さらに、日本の囲碁ファンにも有名な兪斌九段と最年少15歳の李赫初段ペアは、3ヶ月前からこの大会のための特訓を続けてきたそうです。

午前10時。対局開始。決勝トーナメントは、持ち時間60分。使い切ると一手30秒の秒読みとなります。さらに、30秒の考慮時間が2回、というルールです。


小林・矢代ペア対チェコペアの一戦は、途中で小さなハプニングがありました。「あれ? 僕打ってないな」と小林九段。実はその5手ほど前に男性のJan Horaさんが誤順(打つ順番を間違えること)していたようです。すぐに気がついて指摘すれば、相手に3目のペナルティがつきますが、このケースではおとがめなし。審判がかけつけて、対局は無事続行されました。

その後、小林・矢代ペアは、早々と中押し勝ちをおさめました。

「ずいぶん早くに投げましたね。もっと粘られるかなと思ったんですけど」と矢代五段。「女性は3級とあるけど、3段ぐらいの実力はあると思います。強かったですよ」と小林九段。お二人は、その後は控室のモニター画面で、日本チームの応援に加わりました。


中華台北の林至カン八段・張凱馨三段に挑んだ平岡ペアは…序盤でやや形勢が悪くなったものの、中盤過ぎに巻き返しました。「白(中華台北ペア)がずいぶん損をしてくれたけど…そもそもの形勢が芳しくなかったから、逆転には至らないかな」と小林九段の評。白番の中華台北ペアが10目半勝ちを収めて2回戦進出を果たしました。平岡ペアは局後に、別室で長い時間検討をしていました。序盤で勝機を逃した悔やまれる一局。残念でした。

さて、日本応援団が集まる控室では、モニターを見ながら心配そうな声があがり始めました。今村・小西ペアが、韓国のアマペアに大苦戦。途中形勢逆転して、日本ペアが優勢に立ったかに思われたのですが、その後に韓国ペアが粘りを見せて再び形勢逆転。「韓国では“院生”は“九段”より強い」という評判どおりの強さを発揮され、今村・小西ペアが投了。無念の中押し負けとなりました。

アマチュアペアは、北朝鮮も大健闘。韓国の温昭珍四段・李夏辰三段ペアがからくも2目半勝ちで二回戦に駒を進めました。

残る4局は、いずれも順当にプロペアがアマペアを下しました。

なお、本大会は、ペア碁協会主催・第19回国際アマチュアペア碁選手権大会も兼ねています。決勝トーナメント1回戦で白星を上げた唯一のアマペア、洪(HONG SEOK UI)・金新英(KIM SHIN YOUNG)ペアの優勝が、この時点で決定。他の7ペアが2位決定戦を行うこととなりました。
(writer:高見亮子)
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