日本ペア碁協会
第1回WMSG「ペア碁競技」

『ペア碁競技』観戦レポート【6】

全競技日程の最終日、17日を迎えました。他の競技では、ブリッジのシニアの部で日本選手が決勝戦(昨日からスタートしています)を戦っています。

囲碁では、ペア碁のほかに、男子団体戦の優勝が今日決まります。

さて、対局室に入ってみると、昨日にも増して、緊張感で張り詰めた空気です。

準決勝戦のカードは…

中国の黄奕中六段・范蔚菁二段×韓国の温昭珍四段・李夏辰三段。

中国の兪斌九段・李赫初段ペア×中華台北の周俊勲九段・謝依旻四段。

午前10時。いよいよ熱い戦いが始まりました。

中国の兪斌九段・李赫初段ペアが3ヶ月の特訓を積んできたことは、前にもお伝えしました。1992年生まれの李初段は、中国の女性棋士の若手の中で、最も期待されている二人のうちの一人だそうです。もう一人、李初段と「甲乙つけがたい」と評価され、期待されているのが、宋容慧初段。宋初段は、今大会の女子個人戦の金メダリストです。この二人のどちらを個人戦に出場させ、どちらをペア碁に出場させようか、中国チームでは悩みに悩んだとか。ともかく、中国チームが「優勝間違いなし」と太鼓判を押すペアです。

普段は温和な表情の兪九段も、李初段も、厳しい表情で盤に向かっています。盤側には応援にかけつけた宋初段の姿も見えました。

控室には、朝から矢代久美子五段、小林覚九段、今村俊也九段が控室に姿をみせ、モニター観戦。矢代五段と小林九段は、前日半目負けを喫した対局の検討を長い時間していました。「ホテルで並べてみたら、どう打っても(日本ペアが)1目半勝ってたんですよ(笑)」と矢代五段。小林九段も「今みたら、この局面でも(日本ペアが)さほど悪くないよね(笑)」。劣勢を挽回した展開だっただけに、改めて、悔しさがつのってきた様子でした。

兪・李ペアは、中国チームの期待に応え、優勢を築いていました。さらに、周九段が誤順(打つ順番を間違えること)。3目のペナルティを取られては、中華台北がますます苦しくなりました。しかし、中盤をすぎ、勝負強い周・謝ペアが猛追。盤上は壮絶な戦いが始まりました。そして、勝負を決める攻め合いに勝ったのは周・謝ペア。中華台北ペアが、見事な大逆転での中押し勝ちをおさめました。

負けて呆然の中国ペア。終局直後に兪九段に敗着を指摘され、李初段の目からは涙があふれていました。

対局室から姿を現した謝四段は、NHKの取材カメラにピースサイン。不敵な笑みを浮かべながら「奇跡的に。次も勝つと思います」と言い残して、控室に入っていきました。

もう一局は、白番の黄・范ペアが、優勢のまま押し切って韓国の温・李ペアに中押し勝ち。決勝戦は、中国対中華台北のカードとなりました。

なお、第19回国際アマチュアペア碁選手権大会の2位決定戦は、ベスト4にヨーロッパ勢が3組(ハンガリー,チェコ,ウクライナ)残りました。「こんな珍しいことがあるのだね!」とウクライナのLurii Pliushchさんが興奮気味に話していたのが印象的です。ヨーロッパの裾野が広がり、同時に棋力も向上してきたことは喜ばしい限りです。

結果は、北朝鮮ペアがハンガリーペアに勝利して2位。オープン個人戦でも優勝した趙大元さんが、ペア碁でも強さを発揮した一局でした。(writer:高見亮子)
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